要点
- NASA/JPLはリチウムを推進剤とする磁気プラズマ力学(MPD)スラスターの地上試験を実施した。
- 試験では電気推進システムとして高出力となる約120kW級での動作を確認した。
- リチウムは従来のキセノンなどと比べて軽量で、電気推進における効率向上が期待される。
- MPDスラスターは電磁力でプラズマを加速し推力を得る方式で、深宇宙輸送への応用が検討されている。
- 試験中は高温環境下で電極材料の耐久性やプラズマ生成の安定性が評価された。
- 将来的な有人火星ミッションでは、メガワット級電力との組み合わせが必要とされる。
- 長時間運用に向けた耐久試験やシステム全体のスケールアップが今後の課題。
- 今回の成果は、高出力電気推進の実用化に向けた技術実証の一段階と位置付けられる。
編集部コメント
電気推進はこれまで高効率だが低推力というトレードオフがありましたが、MPDスラスターはその制約を打破する可能性を持っています。リチウムという新たな推進剤の採用も含め、今回の試験は「高効率かつ高出力」という次世代深宇宙輸送の方向性を示すものです。火星探査に直結する技術というよりは、その前段となる基盤技術の着実な積み上げといえます。
参照情報
一次情報(公式発表、PRサイト等)
NASA Fires Up Powerful Lithium-Fed Thruster for Trips to Mars
参照記事
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