要点
  • 複数のネットメディアによると、米国Missile Defense Agency(MDA)は2027会計年度に、極超音速ミサイルの追尾・撃破能力を実証する試験『Project Maverick』を計画している。
  • 報道によれば、極超音速滑空体(HGV)を東海岸沿いに飛翔させ、MDAは航空・宇宙基盤の高度センサーから得られるマルチ現象学的(multi-phenomenology)データを用いて追尾、戦術戦闘マネージャーがデータを融合・処理して『engage on remote』射撃を可能にする構成だ。
  • 『engage on remote』とは、射手や兵器に併設されない外部センサーからの目標誘導データで兵器を目標へ誘導する射撃方式を指す。
  • MDAの2027年度予算要求ではProject Maverick単独の支出額は明示されていないものの、本試験はMDAの新設『Low-Cost Defeat』イニシアチブの下で資金手当される予定で、同イニシアチブには極超音速および高速脅威の迎撃を目指す複数の取り組みが含まれる。
  • 報道によれば、Low-Cost Interceptor、Project Maverick、関連先端研究活動を合わせて2027年度MDA予算要求は4億6,000万ドルとされる。
  • 実証が成功すれば、2030年代見込みのGlide Phase Interceptor配備に先行する暫定対極超音速能力の運用化につながる可能性がある。
  • 本対極超音速取り組みは、2027年度予算要求179億ドル・想定総事業費1,850億ドルとされる国防総省のGolden Domeミサイル防衛構想とも連結している。
  • ただ、MDAの予算根拠資料を含む公式リリースなどの一次情報は確認できていない。
編集部コメント
Project Maverickの成否は、暫定的な対極超音速迎撃がGlide Phase Interceptor配備を待たずに2030年代より前倒しで信頼性を持って実現できるか否かのバロメータとなる公算が大きい。『engage on remote』方式の採用は、Golden Domeアーキテクチャ内のマルチドメイン・センサー融合が、机上演習レベルではなく実弾運用を駆動できるほど運用的に成熟しているかも問うことになる。
参照情報
参照記事
Missile Defense Agency Plans Counter-Hypersonic Test in Fiscal 2027

https://www.airandspaceforces.com/missile-defense-agency-counter-hypersonic-test-2027/

参照記事
Hypersonic missile-killing space defense system to be tested by 2027, US MDA plans

https://interestingengineering.com/military/2027-flight-test-for-counter-hypersonic-system