要点
- 欧州宇宙機関は、デンマーク技術研究所(DTI)が主導する汎欧州コンソーシアムを採用し、今後の月ミッション、将来の火星ミッション、軌道上運用で使用されるロボットアーム用の保護被覆「Smart Skin for Exploration Cobots」を開発する。
- プロジェクト予算は165万ユーロで、2026年から2028年までの24か月間実施され、研磨性のあるダスト、強い太陽放射、マイナス150℃からプラス120℃までの温度といった条件への対応を目指す。
- 被覆はロボットアームに装着される3Dプリント製スキャフォルドを基盤とし、アーム構成に応じた適応性を持ち、熱とダストから保護する層、柔軟な電源・データ配線、衝突検知センサー、人と機械の相互作用を高める機能の4つを統合する。
- DTIはロボティクス、機能材料科学、産業用3Dプリントの専門組織と協力し、ハンガリーのAdmatisが熱保護系を、ポーランドのPIAP Spaceがロボット系の知見を、ルクセンブルクのRedwire Space Europeがロボットアームと技術的知見を提供する。
- 対象アームはESAの月ミッション用に開発中のものと同一で、当初からスマートスキンが対象ハードウェアに整合するよう設計される。
- 本プロジェクトは既往パイロット段階の成果を基礎とし、多層断熱(MLI)の既知の課題に取り組む。
- すなわち、従来MLIは静的な宇宙機構造向けに設計されており、繰り返し屈曲しながら熱性能を維持し各種機能を内蔵する可動ロボットアームには適さない。
- DTIは金属鋳造工場のように極端な熱と汚れが装置寿命に影響する地上産業への波及効果も指摘した。
- プロジェクトの計画担当者は、宇宙ハードウェアはミッション認定前に熱サイクル、真空、機械的負荷の複合条件下で機能を維持する必要があると明言し、本研究を宇宙積層造形成熟化の取り組みの一部に位置付けた。
参照情報
参照記事
宇宙ロボットを保護するスマートスキン技術
https://3dprintingindustry.com/news/smart-skin-technology-to-protect-robots-in-space-251673/