要点
  • テキサス大学オースティン校のトッド・ハンフリーズ氏とザック・クレメンツ氏、スタンフォード大学のアルギリス・クリエジス氏による2026年6月2日のプレプリントは、欧州全域で検出された謎のGPS干渉の発生源がロシアの衛星であると特定した。
  • 地上のGNSS受信局の公開データを分析した結果、研究者らは10秒未満の高出力干渉が、ノルウェーからスペイン、ポーランドまで同時に検出され、グリーンランドやカナダにまで及ぶことを突き止めた。
  • 宇宙由来という点で、本件は地上ではなく軌道から発生する人為的なGPS干渉のまれな事例となる。
  • 研究者らは、干渉が意図的かどうかは依然として不確かだとしている。
  • さらに、同じ手法が大陸規模に届く、より強力なGPS妨害(ジャミング)として兵器化される可能性があると警告している。
  • 今回の知見は、衛星測位が意図的な妨害に対して脆弱であることへの懸念を一段と高めるものだ。
編集部コメント
本研究は、航法戦の分野で高まってきた戦略的懸念を先鋭化させる。すなわち、広域でGNSSを劣化させるのに、干渉は必ずしも地上発でも局所的でもある必要はない、という点だ。軌道上の発生源が数秒の連射で大陸を覆えるのであれば、代替PNT、複数コンステレーション対応受信機、耐妨害アンテナといった耐性策は、民生・軍事の双方の利用者にとって有事の備えから当面の必須事項へと位置づけが変わる。
出典情報
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