【要点】
・米政府監査院(GAO)は、今後10年程度を視野に社会へ大きな影響を及ぼし得る科学技術トレンド3件を整理した報告書を公表した。
・その一つとして、軌道上デブリ除去技術を取り上げ、追跡中のデブリが1万5000個超、追跡不能だが危険な小型デブリが100万個超存在すると指摘した。
・GAOは、大型で非回転のデブリを能動的に除去, 移動, 再利用する技術が開発中だと整理した。
・こうした技術は壊滅的な衝突連鎖リスクの低減に寄与し得る一方で、小型または回転中のデブリが危険なデブリの大半を占めるため、リスクを完全には解消できないとした。
・また、新規技術の開発と運用はOuter Space Treatyに起因する法的な曖昧さによって妨げられる可能性があるとした。
・GAOは、技術的ギャップを埋める研究支援や、法的課題の解決に向けた分析着手などを政策上の選択肢として示した。
・本報告書は勧告を出すものではなく、議会や関係者が検討すべき政策上の論点を提示する位置付けとなっている。

【編集部コメント】

GAOが軌道上デブリ除去を将来技術潮流の一つとして整理したことは、同分野が個別の実証案件を超えて政策検討の対象へ移りつつあることを示す。特に、技術課題だけでなくOuter Space Treatyをめぐる法的論点まで同列に置いた点は重要で、今後は除去技術そのものの成熟と並行して制度設計の議論が進むかが焦点となる。
【参照情報】
公式リリース
On the Horizon: Three Science and Technology Trends That Could Affect Society
https://www.gao.gov/products/gao-26-108079
参照記事
Report: Trio of Science and Technology Trends – Orbital Debris Removal Flagged
https://www.leonarddavid.com/report-trio-of-science-and-technology-trends-orbital-debris-removal-flagged/