【要点】
・欧州宇宙機関(ESA)は2026年4月2日、長期の月・火星探査で必要となる循環型生命維持システムの高度化に向け、廃棄物を有用資源へ変換する5件の研究活動を紹介した。
・ベルギーのVITOは、排泄物やCO2などを原料に、微生物を使ってPHAやPLAといった生分解性ポリマーを生成する手法を研究している。
・ルクセンブルクのBlue Horizonは、Spirulina由来の可食性バイオプラスチックフィルムを開発し、包装材や粉末類の取り扱い用途への展開を探っている。
・Redwire Spaceは、CO2や揮発性有機化合物の除去に使うGreenLung技術について、閉鎖環境での空気品質維持を目的に空気中のウイルス除去能力も検証している。
・このほか、Spirulinaバイオマスの植物保護・生育促進への再利用や、リグノセルロース系バイオマスの高効率処理なども含まれ、酸素、水、食料、材料をできるだけ循環利用する宇宙居住基盤の強化を目指している。

【編集部コメント】

「使い捨て」の発想を宇宙からなくしていく動きが、着実に具体化しています。今回のテーマはデブリ再資源化というより、まずは人間が長く滞在するための閉鎖系の循環技術です。廃棄物をプラスチックや植物利用資材へ変える研究は、月・火星拠点の持続性を高めるだけでなく、地上の循環型産業にも波及しうる重要な領域です。
【参照情報】
公式リリース
Building a circular economy in space: ESA studies pave the way
https://www.esa.int/Enabling_Support/Preparing_for_the_Future/Discovery_and_Preparation/Building_a_circular_economy_in_space_ESA_studies_pave_the_way
参照記事
From waste to resource: ESA funds circular economy innovations for space
https://www.esa.int/Enabling_Support/Preparing_for_the_Future/Discovery_and_Preparation/From_waste_to_resource_ESA_funds_circular_economy_innovations_for_space