【要点】
・国際戦略研究所(IISS)は、欧州の軍事宇宙能力を分析したリサーチペーパーを2026年3月30日に公表した。
・報告書では、欧州諸国が2030年までに少なくとも1,090億米ドルを宇宙能力に投資する見通しである一方、打ち上げ、宇宙ベースISR、ミサイル早期警戒、高度な宇宙状況把握(SSA)などで米国依存が大きいと指摘している。
・また、欧州が米国との負担分担を進めるだけでも追加で少なくとも100億米ドル、より高い自律性を目指す場合は追加で少なくとも250億米ドルの調達投資が必要になると試算している。
・IISSは、欧州で進む投資は大きいものの依然として戦略的に断片化しており、衛星の数を増やすだけでなく、地上系、打ち上げ能力、指揮統制、データ共有、NATO手順との整合を含む一体的な宇宙基盤が必要だと論じている。
【編集部コメント】
欧州がEUレベルで防衛に舵を切る中、シンクタンクの立場から冷徹に「能力の欠如」を指摘した非常に重要なレポートです。前述のEUSPA強化(ID: 0793)の動きは、まさにこのレポートで指摘されているような「統合の欠如」を解消するための政治的な回答だと言えますね。
【参照情報】
公式リリース
Advancing European Military Capacity in Space
https://www.iiss.org/research-paper/2026/03/advancing-european-military-capacity-in-space/