【要点】
・名古屋大学の稲守孝哉准教授らは、推進剤や軌道制御機器を使わず、宇宙の力を利用して編隊飛行を行う4.2kgの超小型衛星「MAGNARO-II」を研究開発した。
・本衛星は軌道上で二つに分離し、磁気や空気による力といった人工衛星が受ける力を利用して、編隊を形成し維持する技術の実証実験を行う。
・JAXAの革新的衛星技術実証4号機の実証テーマの一つとして、Rocket LabのElectronで打ち上げ予定で、地球の磁場により得られる力で衛星をスピンさせ、適切なタイミングで二つの衛星を分離する。
・軌道制御機器を使わないため、余裕ができたスペースに望遠鏡やミッション用通信機器を搭載でき、推進剤残量を考慮せず従来より長期の編隊維持が期待される。
・本研究で得られた知見は、名古屋大学が代表機関を務めるJAXA宇宙戦略基金「半永久的 Software Defined 編隊飛行と宇宙 MIMO 通信への展開」にもつながるとしている。
【編集部コメント】
「燃料を使わない」という逆転の発想が、リソースの限られた超小型衛星の可能性を大きく広げました。空気抵抗のような本来は不利に働く力を、編隊制御のための手段へ転換するアプローチは非常に知的で、将来の多機編隊観測や宇宙通信基盤にも波及しそうです。
【参照情報】
一次情報(公式発表、PRサイト等)
超小型衛星MAGNARO-II研究開発
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2026/03/magnaro-ii.html
参照記事
超小型衛星「マグナロ―Ⅱ」、名大など開発 推進剤使わず編隊飛行
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00779334