【要点】
・中国科学院(CAS)の研究チームが、室温液体金属(LM)を将来の深宇宙探査における重要材料候補として示した。
・論文はCell Press Blueに2026年4月7日付で掲載された。
・LMベースの電力・エネルギー技術は、高い熱・流体特性、低い飽和蒸気圧、無振動の電磁ポンプ特性を備えた高性能な解決策として位置付けられている。
・LMを用いたfield emission systemは、微小・超小型衛星の高精度姿勢制御、編隊飛行、大気抵抗補償への応用可能性が示された。
・LMは高い熱伝導性、流動性、構造安定性により、宇宙機の熱管理用途でも有望とされた。
・LM由来の柔軟導電繊維は電磁シールドによる放射線防護、柔軟センサーは宇宙飛行士の生体情報や宇宙服環境のリアルタイム監視への応用が想定されている。
・液体金属ソフトロボットは、月面基地建設や惑星探査で重要な役割を果たす可能性がある。
・今回の内容は実用化発表ではなく、深宇宙探査に向けたLMの応用領域を整理した研究報告である。
【編集部コメント】
液体金属を直ちに宇宙の万能素材とみなす段階ではないが、電力、推進、熱制御、生命維持まで横断して応用可能性を整理した点は重要である。深宇宙では材料選定がシステム全体の成立性を左右するため、LMのような多機能材料の検討は今後の基盤技術議論に直結する。
【参照情報】
公式リリース
Scientists Identify Liquid Metals as Vital Materials for Future Deep-Space Missions
https://english.cas.cn/newsroom/research-news/202604/t20260408_1155368.shtml
参照記事
Liquid metals as vital materials for future deep-space missions
https://www.nanowerk.com/news2/space/newsid=69109.php