要点
  • 中国の民間衛星産業が、米スペースXの「スターリンク」に対抗する動きを加速させている。
  • 自動車大手の浙江吉利控股集団(ボルボ・カーズやポールスターの親会社)は、傘下企業が運用する低軌道LEO衛星コンステレーションを、現在の約60基から5,700基へ拡大する計画を打ち出した。
  • この構想は、6月24日に開幕したアジア最大級のモバイル技術見本市「MWC上海」で明らかにされ、同見本市では衛星通信が初めて専用の展示ゾーンを獲得した。
  • 中国のスタートアップは政府の強力な支援を追い風に、積極的な資金調達や新規株式公開(IPO)を進め、科創板(STAR Market)や創業板(ChiNext)への上場を目指す動きが広がっている。
  • もっとも、スペースXが6,000基超のスターリンク衛星を再使用ロケットと垂直統合の製造で展開してきたのに対し、中国企業は1基あたりの打ち上げコストが高く、迅速な再使用を実証した企業はまだない。
  • 実際、2025年の打ち上げ回数はスペースXがファルコン9で165回に達したのに対し、中国全体では過去最高でも92回にとどまった。
  • 周波数調整や軌道スロットの割り当て、安全保障審査で国有大手が優先される制度的な壁も残るが、レーザー通信端末やフェーズドアレイアンテナなどの重要部品に注力する企業も現れ、一帯一路沿線国への展開も見据えたスターリンクの国産代替基盤づくりが進んでいる。

編集部コメント
衛星通信が有事の戦略物資となるなか、中国は国産・非依存の低軌道通信網を安全保障上の要衝と位置づけている。ただし、量産と高頻度打ち上げ、再使用ロケットの実運用で先行するスペースXとの差は大きく、国家支援と民間投資の組み合わせでどこまで差を縮められるかが焦点となる。
出典情報
関連記事
習近平の「宇宙支配の夢」は終わった…ロケットに大金をつぎ込んだ中国が、民間企業の「スペースX」に惨敗のワケ

https://news.yahoo.co.jp/articles/fdac3472b1249df92df42564373e79b832c6019c?page=2

関連記事
中国の民間宇宙開発競争が激化、吉利が5700基の衛星網でスペースXに挑む

https://finance.biggo.jp/news/20b96d37-1b6a-43ec-a8a9-7fe02123b48b